「大徳寺で御朱印をいただきたいけど、どこでもらえるの?」「塔頭がたくさんあって、どこを回ればいいかわからない…」そんな疑問を持つ方は多いはずです。大徳寺は京都・紫野にある臨済宗大徳寺派の大本山で、境内には20以上の塔頭(たっちゅう=大寺院の中にある小寺院)が点在しています。結論からお伝えすると、大徳寺の御朱印は本坊と常時公開の塔頭4院、さらに特別公開時の塔頭で合計10種類以上いただくことができます。この記事では、御朱印の種類・初穂料・受付場所・拝観時間はもちろん、効率よく回るルートや初心者が陥りやすい失敗パターンまで、大徳寺の御朱印めぐりに必要な情報をすべてまとめました。
・大徳寺本坊と塔頭で頂ける御朱印の全種類と初穂料
・常時公開の塔頭4院それぞれの御朱印の特徴と受付時間
・特別公開でしか手に入らない限定御朱印の情報
・初心者でも迷わない効率的な参拝ルートと注意点
大徳寺の御朱印は全部で何種類?|本坊と塔頭で頂ける御朱印の全体像

大徳寺で御朱印がもらえる場所は「本坊+塔頭」の二層構造
大徳寺の御朱印は、大きく「本坊(大徳寺そのもの)」と「塔頭寺院」の2つに分かれます。本坊では通常非公開ながら御朱印の受付だけは行っており、庫裏(くり)の扉を開けて声をかければ書き置きの御朱印を頂けます。一方、塔頭は常時公開が4院(龍源院・瑞峯院・大仙院・高桐院)、それ以外は春秋の特別公開期間のみ拝観&御朱印受付という形です。つまり、訪問するタイミングによって頂ける御朱印の数が大きく変わります。初めての方は常時公開の4院+本坊を目標にすると無理なく回れますし、特別公開シーズンに合わせれば一度に7〜8種類集めることも可能です。ただし、高桐院は修復工事のため長期拝観休止中(再開時期未定)なので、事前に公式情報を確認してから訪問してください。
御朱印めぐり帖調べ|大徳寺で頂ける御朱印の種類と料金一覧
| 受付場所 | 御朱印の墨書き | 初穂料 | 形式 |
|---|---|---|---|
| 本坊 | 「本朝無双禅苑」 | 300円 | 書き置き |
| 龍源院 | 「大圓殿」 | 300円 | 直書き |
| 瑞峯院 | 「独坐大雄峰」 | 300円 | 直書き |
| 大仙院 | 「拈華」 | 300円 | 直書き |
| 高桐院 | 「高桐院」 | 300円 | 直書き(※休止中) |
| 黄梅院(特別公開) | 「夢」ほか複数 | 300〜500円 | 直書き |
| 総見院(特別公開) | 「溪聲山色」 | 300円 | 書き置き |
上記は御朱印めぐり帖調べの情報です。特別公開の塔頭は年度によって公開される寺院が異なるため、京都春秋や京の冬の旅の公式サイトで事前確認してください。
「本朝無双禅苑」の意味を知ると御朱印の価値がわかる
大徳寺本坊の御朱印に書かれる「本朝無双禅苑」は、後醍醐天皇が大徳寺に授けた宸翰(しんかん=天皇直筆の文書)に由来する言葉です。「日本で並ぶもののない禅の道場」という意味で、大徳寺の格の高さを示しています。一休宗純、千利休、沢庵宗彭など歴史上の著名人と深い関わりを持つ大徳寺だからこそ、この言葉には700年近い歴史の重みがあります。御朱印をいただく際にこの背景を知っていると、書き置きの一枚に対する見方が変わるはずです。初心者の方も中級者の方も、ぜひ墨書きの意味を調べてから参拝すると、御朱印集めがぐっと深い体験になります。
大徳寺の御朱印帳はある?オリジナル御朱印帳の有無
大徳寺本坊ではオリジナル御朱印帳の販売は確認されていません。一方、塔頭の大仙院では過去にオリジナル御朱印帳を取り扱っていたことがあります。ただし、常時在庫があるわけではないので、御朱印帳を新調したい場合は手持ちの御朱印帳を持参するのが確実です。大徳寺は臨済宗のお寺なので、御朱印帳の「寺院用」ページに頂くのが一般的です。神社と寺院で御朱印帳を分けている方は忘れずに寺院用を持っていきましょう。分けていない方はそのまま1冊で問題ありません。
大徳寺の御朱印をもらう前に知っておきたい基本情報|拝観時間・アクセス・拝観料
大徳寺の拝観時間と御朱印受付時間|何時までに行けば間に合う?
大徳寺の常時公開塔頭の拝観時間は、おおむね9:00〜16:30(受付終了16:00)です。ただし塔頭ごとに若干異なり、大仙院は9:00〜17:00(冬季は16:30まで)、龍源院は9:00〜16:20と細かな違いがあります。御朱印の受付は拝観受付終了の15〜30分前に締め切られることが多いため、余裕を持って15:30までには到着したいところです。本坊の御朱印受付はさらに限定的で、9:00〜16:00の間に庫裏へ直接声をかける形式です。土日でも受付していますが、法要や行事で不在の場合もあるため、平日の午前中が比較的確実です。
大徳寺へのアクセス|バス・電車・車それぞれの行き方
大徳寺の最寄りバス停は「大徳寺前」で、京都駅から市バス205系統・206系統で約35分、下車後徒歩すぐです。地下鉄を使う場合は烏丸線「北大路駅」から徒歩約15分、またはバスに乗り換えて1停留所です。車の場合は大徳寺有料駐車場(普通車500円/2時間)が境内東側にありますが、土日や紅葉シーズンは満車になりやすいので公共交通機関がおすすめです。京都駅からの所要時間は、バスで約40分、地下鉄+徒歩で約30分が目安になります。金閣寺や北野天満宮と同じ北エリアなので、セットで回る計画を立てると効率的です。
拝観料は塔頭ごとに別途必要|トータル費用の目安
大徳寺の境内自体は無料で散策できますが、各塔頭の拝観にはそれぞれ拝観料がかかります。龍源院350円、瑞峯院500円、大仙院500円、高桐院500円(休止中)で、4院すべてを回ると合計1,750円です。御朱印代(各500円)を加えると1院あたり650〜800円、常時公開3院を回った場合のトータルは約2,150円になります。特別公開の塔頭は拝観料600〜800円に設定されることが多く、御朱印代と合わせると1院あたり900〜1,100円です。予算の目安として、半日で3〜4院回るなら3,000〜4,000円を見ておくと安心です。
| 名称 | 大徳寺(だいとくじ) |
| 所在地 | 京都府京都市北区紫野大徳寺町53 |
| 御朱印 | 300円(書き置き) |
| 拝観時間 | 9:00〜16:00(本坊御朱印受付) |
| 拝観料 | 境内無料(塔頭は各350〜500円) |
| アクセス | 市バス「大徳寺前」下車すぐ/地下鉄「北大路駅」から徒歩15分 |
常時公開の塔頭で頂ける大徳寺の御朱印|龍源院・瑞峯院・大仙院を徹底解説

龍源院の御朱印「大圓殿」|日本最小の石庭とセットで楽しむ
龍源院は大徳寺の塔頭の中で最も古い寺院の一つで、1502年(文亀2年)に創建されました。御朱印の墨書き「大圓殿」は本堂の別名に由来し、300円で直書きしていただけます。龍源院の最大の見どころは「東滴壺(とうてきこ)」と呼ばれる日本最小の石庭で、わずか4坪ほどの空間に宇宙観が表現されています。拝観料350円は大徳寺の常時公開塔頭の中で最も安く、御朱印と合わせても650円で済むため、予算を抑えたい方に向いています。御朱印の受付は拝観受付と同じ場所で、入口で拝観料を払う際に御朱印帳を預ける形式です。拝観所要時間は20〜30分が目安です。
瑞峯院の御朱印「独坐大雄峰」|キリシタン大名ゆかりの十字架の庭
瑞峯院はキリシタン大名・大友宗麟が1535年に創建した塔頭で、御朱印の「独坐大雄峰」は禅語の一つです。「ただ一人、大いなる峰に坐す」という意味で、力強い筆致が特徴的です。瑞峯院で見逃せないのが「閑眠庭(かんみんてい)」で、石の配置が十字架を形作っています。キリシタン大名の寺院に十字架の庭があるという意外性は、御朱印集め中級者にも新鮮な発見になるはずです。拝観料400円、御朱印300円で合計700円。受付で御朱印帳を預けると、拝観中に書いておいてもらえます。所要時間は15〜25分で、龍源院と隣接しているためセットで回りやすい立地です。
大仙院の御朱印「拈華」|枯山水の最高峰で禅語をいただく
大仙院は1509年創建の塔頭で、国宝の方丈と特別名勝の枯山水庭園を持つ大徳寺随一の見どころです。御朱印は「拈華(ねんげ)」の墨書きで、釈迦が花を拈(ひね)って弟子に悟りを伝えたという「拈華微笑」の故事に由来します。拝観料500円、御朱印300円の合計800円で、住職や副住職が在院されている時は短い法話を聞けることもあります。枯山水庭園は室町時代の作庭で、滝から大海に至る水の流れを石と砂で表現した傑作です。写真撮影は庭園内禁止のため、目に焼き付けて帰る形になります。所要時間は30〜40分と他の塔頭より長めに見ておくと余裕があります。
大仙院の枯山水庭園は「動」と「静」の対比で構成されています。方丈の東側は急流を表す「動」の庭、南側は大海を表す「静」の庭。この対比を知った上で見ると、石の配置一つ一つに意味が見えてきます。御朱印の「拈華」も「言葉を超えた悟りの伝達」を意味する禅語なので、庭園を”言葉なしで感じる”体験とリンクしているのが面白いところです。
高桐院は現在拝観休止中|再開時に備えて知っておきたいこと
高桐院は細川忠興(三斎)が1601年に創建した塔頭で、参道の竹林と紅葉のトンネルが有名です。御朱印は「高桐院」の直書きで300円でしたが、屋根の修復工事のため長期拝観休止が続いています。再開時期は公式発表がないため、訪問前に電話(075-492-0068)で確認するのが確実です。再開した際には紅葉シーズン(11月中旬〜12月上旬)が特に人気で、参道の景色と御朱印をセットで楽しめます。拝観料は500円と塔頭の中ではやや高めですが、細川ガラシャの墓所など歴史的な見どころも多いため、再開したらぜひ訪れたい場所です。
特別公開でしか手に入らない大徳寺の御朱印|黄梅院・総見院・興臨院
黄梅院の御朱印は住職の直書き&解説つき|なぜ「激レア」と言われるのか
黄梅院は織田信長が父・信秀の追善供養のために1562年に創建した塔頭です。春(3〜5月)と秋(10〜12月)の特別公開期間のみ拝観でき、御朱印は住職が直書きで対応してくださいます。黄梅院の御朱印が「激レア」と呼ばれる理由は、住職が一人ひとりに御朱印の意味を解説しながら書いてくださる点にあります。「夢」「喝」「関」など複数の禅語から選べることが多く、300〜500円の初穂料です。待ち時間が30〜60分になることもあるため、公開初日や土日は避けて平日に訪問すると比較的スムーズです。拝観料は800円と高めですが、千利休が作庭した「直中庭(じきちゅうてい)」を見られるのはここだけです。
総見院の御朱印|信長の菩提寺で頂く「溪聲山色」
総見院は豊臣秀吉が織田信長の菩提を弔うために1583年に建立した塔頭です。信長の木像(重要文化財)が安置されており、歴史好きには特に響く場所です。御朱印は「溪聲山色(けいせいさんしょく)」の書き置きで300円。「谷川のせせらぎも山の色も、すべてが仏の説法である」という禅の教えを表しています。特別公開は春と秋に行われ、拝観料は600円です。総見院は大徳寺の南門から入ってすぐの場所にあるため、特別公開期間であれば最初に立ち寄りやすい位置にあります。ただし書き置きのみの対応なので、直書き派の方はその点を了承した上で訪れてください。
興臨院・大光院など不定期公開の塔頭|年ごとに変わる御朱印チャンス
大徳寺には興臨院、大光院、芳春院、聚光院など、不定期に特別公開される塔頭がまだまだあります。特に興臨院は前田利家ゆかりの塔頭で、「渓聲」の御朱印が人気です。京の冬の旅(1〜3月)や京都春秋(春・秋)の公開スケジュールは毎年異なるため、こだわり派の方は年間スケジュールを事前に確認して訪問日を決めるのがおすすめです。聚光院は千利休の菩提寺で狩野永徳の障壁画(国宝)がありますが、公開頻度が極めて低いため御朱印の難易度は高めです。不定期公開の塔頭は事前予約制のこともあるので、公式サイトや京都春秋のサイトを必ず確認してください。
特別公開の塔頭では、御朱印だけもらって拝観しないのはマナー違反とされます。拝観料を払い、きちんとお庭や仏像を拝観した上で御朱印をいただくのがルールです。また、特別公開期間の拝観料は通常より高め(600〜800円)に設定されていることが多いので、予算に余裕を持って訪問しましょう。
めぐりで失敗しないための注意点|初心者が見落としがちなポイント
失敗パターン①:拝観時間ギリギリに行って御朱印受付が終了していた
大徳寺の塔頭は16:00〜16:30に拝観受付が終了しますが、御朱印の受付はさらに15〜30分早く締め切られるケースがあります。特に書き手が1人しかいない塔頭では、15:30を過ぎると「本日の御朱印受付は終了しました」と言われることがあります。原因は「拝観時間=御朱印受付時間」と思い込んでしまうこと。対策としては、遅くとも15:00までに最後の塔頭に到着するスケジュールを組むことです。午前中に2〜3院、昼食後に1〜2院というペースなら余裕を持って回れます。特に冬季(12〜2月)は日没が早いため閉門も早まる傾向があります。
失敗パターン②:本坊の御朱印受付場所がわからず諦めてしまった
大徳寺本坊は通常非公開のため、正面に「関係者以外立ち入り禁止」と表示されています。これを見て「御朱印ももらえないんだ」と諦めてしまう方が少なくありません。実際には、庫裏(本坊の北側にある建物)の扉を開けて「御朱印をお願いしたいのですが」と声をかければ対応してもらえます。ただし、法要中や不在時は断られることもあるため、確実ではない点は理解しておきましょう。声をかけること自体はマナー違反ではないので、臆せずに訪ねてみてください。庫裏の場所は、勅使門から三門を通り過ぎた先の右手側にあります。
御朱印帳を忘れた場合の対処法|書き置きと半紙対応
御朱印帳を忘れてしまった場合でも、大徳寺の各塔頭では書き置き(半紙に書かれた御朱印)で対応してもらえます。書き置き対応してもらったら、帰宅後にのりや両面テープで御朱印帳に貼り付ければ問題ありません。ただし、直書きの風合いや「その場で書いてもらう体験」は書き置きでは得られないため、やはり御朱印帳は忘れずに持参するのがベストです。対策として、カバンに御朱印帳を入れっぱなしにしておくか、玄関に「御朱印帳チェック」のメモを貼っておくと忘れにくくなります。なお、龍源院や大仙院では御朱印帳の購入もできる場合がありますが、在庫状況は日によって異なります。
大徳寺は禅寺|写真撮影・私語に関するマナー
大徳寺は臨済宗の修行道場としての性格が強い寺院です。塔頭の庭園内は撮影禁止の場所が多く、特に大仙院は全面撮影禁止です。龍源院と瑞峯院は庭園の撮影可能ですが、フラッシュ使用や三脚の持ち込みは禁止されています。御朱印を書いていただいている間は静かに待つのがマナーで、スマートフォンの通話音や大きな話し声は控えましょう。修行僧とすれ違う際は軽く会釈する程度で、話しかけたり写真を撮ったりするのは避けてください。禅寺の凛とした空気を楽しむ気持ちで訪問すると、より良い参拝体験になります。
効率よく集めるおすすめルート|所要時間別プラン
【2時間コース】初心者向け|龍源院+瑞峯院+本坊の3箇所
初めて大徳寺を訪れる方におすすめの最短ルートです。大徳寺前バス停から境内に入り、まず南門近くの龍源院(拝観20分)→隣の瑞峯院(拝観20分)→本坊の庫裏で御朱印受付、という流れで回ります。移動時間込みで約2時間、費用は拝観料750円+御朱印代900円の合計1,650円が目安です。龍源院と瑞峯院は隣接しているため移動ロスが少なく、初心者でも迷いにくいルートです。本坊の御朱印は不在の場合もあるため、先に塔頭2院を確実に押さえておくと安心です。午後から訪問する場合でも14:00スタートなら余裕で間に合います。
【3〜4時間コース】中級者向け|常時公開3院+本坊コンプリート
御朱印集めに慣れてきた方は、龍源院・瑞峯院・大仙院の常時公開3院+本坊をすべて回るコースがおすすめです。午前中スタートで、龍源院→瑞峯院→昼食(大徳寺門前の「大徳寺一久」で精進料理、または北大路通沿いの飲食店)→大仙院→本坊の順で回ると、無理なく3〜4時間で完了します。費用は拝観料1,250円+御朱印代1,200円の合計2,450円です。大仙院は見どころが多いため時間に余裕を持たせるのがポイント。法話を聞ける機会があれば10〜15分追加で楽しめます。
【終日コース】こだわり派向け|特別公開の塔頭もすべて回る
春秋の特別公開期間に合わせて訪問するなら、常時公開3院+特別公開2〜3院で1日がかりのコースを組めます。午前9:00に到着し、まず特別公開の塔頭(混雑する前に訪問)→龍源院→瑞峯院→昼食→大仙院→本坊→残りの特別公開塔頭、という流れです。特別公開は午前中の方が空いている傾向があり、黄梅院のように待ち時間が発生しやすい塔頭は朝一番に行くのがコツです。1日で5〜6種類の御朱印を集められるため、遠方から訪問する方にも満足度の高いプランです。費用は5,000〜7,000円が目安になります。
大徳寺の境内は広く、塔頭間の移動に5〜10分かかります。Googleマップで「大徳寺」と検索しても塔頭の位置は表示されないことが多いため、境内の案内板で位置を確認してから回り始めましょう。総門(南門)から入って右手に龍源院・瑞峯院、奥に大仙院があるという配置を覚えておくと迷いません。
意外と知られていない大徳寺の御朱印の魅力|禅語を読み解く楽しさ
大徳寺の御朱印はすべて「禅語」|他の寺院との違い
大徳寺の御朱印が他の寺院と大きく異なるのは、すべての墨書きが「禅語」である点です。一般的な寺院の御朱印は御本尊の名前(「大日如来」「阿弥陀如来」など)が書かれることが多いですが、大徳寺とその塔頭では「本朝無双禅苑」「独坐大雄峰」「拈華」「大圓殿」など、禅の教えを一言で表した言葉が記されます。これは大徳寺が「禅の道場」として700年間守り続けてきた性格を反映しています。つまり、大徳寺の御朱印を集めることは「禅語のコレクション」を作ることでもあるのです。初心者の方は最初は意味がわからなくても、一つずつ調べていくうちに禅の世界観に触れる入口になります。
実は御朱印の筆跡が塔頭ごとにまったく違う|書き手の個性を楽しむ
意外と知られていないのですが、大徳寺の塔頭ごとに御朱印の筆跡はまったく異なります。龍源院は端正で読みやすい楷書体、瑞峯院は力強く大胆な筆致、大仙院は流れるような行書体と、それぞれの住職や書き手の個性が色濃く出ています。同じ「禅語」というジャンルでも筆跡の違いを比べる楽しさがあるのは、複数の塔頭が集まる大徳寺ならではの魅力です。御朱印帳を見返した時に「この力強い字は瑞峯院だ」とすぐわかるほど個性があります。中級者やこだわり派の方は、あえて同じ塔頭を季節を変えて複数回訪問し、書き手の変化を楽しむという通な集め方もあります。
大徳寺と千利休の深い関係|茶の湯と御朱印をつなぐ歴史
大徳寺は「茶面(ちゃづら)」と呼ばれるほど茶道との関わりが深い寺院です。千利休は大徳寺の古渓宗陳(こけいそうちん)に参禅し、大徳寺の山門(金毛閣)に自身の木像を置いたことが豊臣秀吉の怒りを買い、切腹に追い込まれたという逸話が残っています。この三門は今も境内に現存しており、御朱印を頂いた後に三門を見上げると歴史の重みを感じられます。黄梅院の「直中庭」は利休が作庭したとされる庭で、特別公開時にしか見られない貴重な空間です。御朱印集めをきっかけに茶道の歴史にも興味が広がる——これが大徳寺ならではの奥深さです。
御朱印集め上級者が大徳寺に通う理由|「全塔頭制覇」という挑戦
大徳寺には20以上の塔頭があり、そのすべてで御朱印を頂くのは年単位の挑戦になります。常時公開は3〜4院のみで、残りは不定期の特別公開でしか拝観できないからです。毎年春秋の公開スケジュールを確認し、未訪問の塔頭が公開されるたびに足を運ぶ——このコレクター的な楽しみ方は上級者に人気があります。聚光院(千利休の菩提寺・狩野永徳の障壁画)や芳春院(前田利家夫人まつの寺)など、滅多に公開されない塔頭の御朱印は希少価値が高く、御朱印仲間の間で話題になることも多いです。長期的な目標として「大徳寺全塔頭制覇」を掲げるのも、御朱印めぐりのモチベーションになります。
一緒に楽しみたい周辺スポット|セットで回れるおすすめ寺社
今宮神社|大徳寺から徒歩5分で行ける「あぶり餅」の名所
大徳寺の北門を出て徒歩5分の場所にある今宮神社は、「玉の輿」のご利益で知られる神社です。御朱印は300円で直書き対応、受付時間は9:00〜17:00です。今宮神社の参道には「あぶり餅」の老舗2軒(一和・かざりや)が向かい合って営業しており、参拝後の休憩にぴったりです。あぶり餅は1人前500円で、きな粉をまぶした餅を炭火で焼き白味噌のタレをかけた京都名物。大徳寺の御朱印めぐりの後に立ち寄れば、歩き疲れた体に甘味がしみます。大徳寺→今宮神社→あぶり餅のコースは所要時間プラス40分ほどで組み込めます。
建勲神社|織田信長を祀る神社で「天下布武」の御朱印
大徳寺の南西、船岡山の山頂に鎮座する建勲神社(たけいさおじんじゃ)は織田信長を主祭神として祀る神社です。御朱印は「天下布武」の印が押された特徴的なデザインで、初穂料500円。大徳寺の総見院(信長の菩提寺)とセットで訪問すれば、信長ゆかりの御朱印を2つ集められます。大徳寺から徒歩10分ほどで到着しますが、船岡山を登る坂道があるので歩きやすい靴で訪問してください。建勲神社の御朱印は限定デザインが出ることもあり、刀剣関連の御朱印は特に人気が高いです。
金閣寺・北野天満宮|バス1本で行ける人気スポットとの組み合わせ
大徳寺からバスで10分ほどの距離に金閣寺と北野天満宮があります。金閣寺の御朱印は「舎利殿」の墨書きで500円、拝観料500円。北野天満宮の御朱印は500円で直書き対応です。大徳寺を午前中に回り、午後から金閣寺または北野天満宮に移動するプランは、京都北エリアの王道コースです。ただし、金閣寺は混雑が激しいため紅葉シーズンや土日は1時間以上の待ち時間が発生することもあります。時間に余裕がない場合は、比較的空いている北野天満宮を選ぶと効率よく回れます。1日で大徳寺3院+周辺1〜2社寺の御朱印5〜6種類を集めるのが現実的な目標です。
大徳寺の御朱印めぐりを楽しむためのまとめ|初めての方もリピーターも満足できる禅寺の魅力
大徳寺は京都の中でも御朱印の奥深さが際立つ寺院です。本坊と常時公開の塔頭3院だけでも4種類の御朱印を集められ、特別公開のタイミングに合わせれば1日で6種類以上を手にすることも可能です。すべての御朱印が禅語で書かれているという統一感があり、集めるほどに禅の世界観が手元に積み重なっていく感覚は、大徳寺ならではの醍醐味です。
千利休、織田信長、豊臣秀吉、細川忠興——日本史に名を残す人物たちと深い縁を持つ大徳寺は、御朱印を通じて歴史と禅に触れる最高の入口になります。初心者の方はまず龍源院と瑞峯院の2院からスタートし、慣れてきたら大仙院や特別公開の塔頭へと足を伸ばしてみてください。
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 大徳寺の御朱印は本坊+塔頭で合計10種類以上、すべて禅語の墨書き
- 常時公開は龍源院・瑞峯院・大仙院の3院(高桐院は休止中)
- 御朱印の初穂料は各300円、拝観料は350〜500円が相場
- 御朱印受付は拝観終了の30分前に締め切られることがあるため、15:00までの到着を推奨
- 特別公開(春・秋)に合わせると黄梅院・総見院など限定御朱印も入手可能
- 本坊の御朱印は庫裏に声をかければ書き置きで頂ける(不在時あり)
- 周辺の今宮神社・建勲神社とセットで回ると1日で5〜6種類の御朱印が集まる
大徳寺は一度の訪問ですべてを回りきれない規模の寺院だからこそ、「次はあの塔頭の特別公開に行こう」と何度も足を運ぶ楽しみがあります。まずは気軽に常時公開の塔頭を1〜2院訪れて、禅語の御朱印の魅力を体感してみてください。
※御朱印の初穂料・拝観時間・特別公開の日程は変更される場合があります。訪問前に最新情報を公式サイトでご確認ください。

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